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はじめに
Lotus Sametime は Lotus ブランドの製品の中で唯一、リアルタイムのコミュニケーションを提供し、IBM Unified Communications & Collaboration の中核をなす製品です。
このLotus Sametime は製品自身でもボイスチャットやビデオチャットといった VoIP や オーディオビジュアルのコミュニケーション機能をを提供していますが、それとは別に様々な形での外部の電話システムとの連携機能を提供しています。その電話連携機能は様々な形で提供されており、連携する対象となる電話システムの特徴や連携によって実現する機能によって連携の方法は柔軟に選択することができます。
この文書では Lotus Sametime の提供する様々な電話連携の方法を紹介します。そして、それらの連携方法のいずれを選択すればよいかを判断するための特徴と、実際に連携を実現するために手がかりとなる情報をご紹介します。
Lotus Sametime の電話連携機能
Lotus Sametime の提供する電話連携には以下の3つの方法があります。
- Eclipse プラグインによる Lotus Sametime Connect クライアントの拡張
- TCSPI によるサーバーサイドの電話連携
- Lotus Sametime Unified Telephony による電話連携
Lotus Sametime Connect クライアントは、Lotus Expeditor クライアントの提供するリッチクライアントプラットフォーム(RCP Rich Client Platform)上に構築されたアプリケーションです。Lotus Expeditor は Eclipse をベースにしており、Eclipse プラグインのフレームワークに構築されています。つまり Lotus Sametime Connect クライアントは Eclipse プラグインの手法により機能拡張が可能です。
また Lotus Sametime Connect クライアント自身もプラグインから使用できる API を提供しており、Lotus Sametime のプレゼンスやインスタントメッセージの機能を使用してプラグインを作成し、Lotus Sametime Connect クライアントを機能拡張することができます。このプラグインの仕組みを利用することで Lotus Sametime Connect クライアントの様々な機能拡張が可能です。電話システムとの連携という点では、以下のような機能拡張が可能です。
- Lotus Sametime Connect クライアントの連絡先リストを拡張し、電話発信の機能を追加する(Click-to-call)
- Lotus Sametime Connect クライアントのプレゼンスに、相手の電話の状態(話中かどうかなど)を表示する (Integrated Presence)
- Lotus Sametime Connect クライアントの中に独自のソフトフォンを組み込む (Softphone Integration)
プラグインによる Lotus Sametime Connect クライアントの拡張では、連携する電話システムの機能や開発者のアイデアによって様々な機能を自由に実装することができます。しかし、このような拡張ができるのは Lotus Sametime Connect クライアントのみであり、Web ブラウザ向けクライアントなどではできなかったり、あるいは別の実装が必要になります。
Eclipse プラグインによる拡張は Lotus Sametime Standard のライセンスで使用可能で、Lotus Sametime Community Server と Lotus Sametime Connect クライアントで利用できます。このような構成の Lotus Sametime システムでは電話と連携する VoIP 機能は持っていません。ここで説明している電話連携を実現するには、連携する相手となる PBX などの電話システムが必要となります。
TCSPIによるサーバーサイド連携
TCSPI (Telephony Conferencing Service Provider Interface)は Lotus Sametime サーバーが提供する電話連携の API(SPI) です。
電話システムとの連携を行う開発者は、TCSPI の使用に従ったサーバー用のサービスアプリケーションを開発することで、Lotus Sametime クライアントに電話発信などの機能を提供することができます。このとき開発者が開発するのはサーバー側のモジュールのみで、このモジュールが Lotus Sametime サーバーで実行されると、Lotus Sametime クライアント側で通常は隠されている電話制御用のユーザーインターフェースが表示され、ユーザーから利用可能になります。
Telephony Conferencing Service Provider Interface」 という名前からも判るように、この連携機能は電話会議システムと Lotus Sametime の連携を行うために用意されました。TCSPI では以下のような機能を提供することができます。
- Lotus Sametime クライアントの連絡先リストで、一人または複数の相手を選択して電話会議の開始(Click-to-conference, Click-to-call)
- 電話会議での自分の参加状態の制御(ミュートとミュート解除、Call-out)
- 議長による電話会議での参加者の状態の制御(ミュートとミュート解除、Call-out, 切断)
このように電話会議での使用を前提に作られた連携機能ですが、Lotus Sametime Connect クライアントからも利用可能で単純な1対1での電話発信(Click-to-call)にも使用できます。
TCSPI による Lotus Sametime の電話連携では、TCSPI があらかじめ用意している API にあわせたサーバー側の実装をするだけで比較的短時間で機能を実装することができます。そのときクライアント側で必要となるユーザーインターフェースはあらかじめ製品に含まれているので、開発者がユーザーインターフェースについて悩む必要はありません。
Eclipse プラグインによる拡張は Lotus Sametime Standard のライセンスで使用可能です。TCSPI はプレゼンスとインスタントメッセージと併用して使用することもできますし、Lotus Sametime のオンラインミーティングでも使用できます。TCSPI を使用するためには、連携する相手となる電話会議システムか PBX などの電話システムが必要となります。
Lotus Sametime Unified Telephony
Lotus Sametime Unified Telephony (SUT)は、Lotus Sametime に電話機能を提供する製品です。
SUT 自身が SIP と VoIP のサーバーとなり、電話システムと連携して Lotus Sametime クライアントに電話の発着信や転送などの機能を提供します。SUT の提供する機能は以下のようになります。
- Lotus Sametime クライアントの連絡先リストを拡張し、電話発信の機能を追加する(Click-to-call)
- Lotus Sametime クライアンのプレゼンスに、相手の電話の状態(話中かどうかなど)を表示する (Integrated Presence)
- Lotus Sametime クライアントの中にのソフトフォン含み音声やテレビ画像による通話ができる(Softphone Integration)
- Lotus Sametiem クライアントでのユーザーの状態や、ユーザーがあらかじめ決めたルールによる着信した電話の自動転送
これらの機能は Lotus Sametime Community Server とは別に構築される SUT サーバー(Telephony Application Server と Telephony Control Server) によって実現されます。SUT サーバーは社内の PBX た VoIP ゲートウェイと SIP で接続され、電話の発着信の制御を行うとともに電話のプレゼンスの監視を行います。
SUT は製品として提供されるサーバーで、お客様やパートナーによる追加開発なしに使用できます。
電話システムと SIP で連携することで単なる電話発信(Click-to-call)以上の機能を提供し、Lotus Sametime のプレゼンスと組み合わせて非常に強力な電話制御の機能を提供します。また標準の SIP を採用し、さらに VoIP ゲートウェイとの接続を組み合わせることで、単一ではない PBX 環境での利用も可能になっています。
SUT を使用するには Lotus Sametime Standard のライセンスの他に SUT のライセンスが必要になります。
SUT については
IBM developerWorks Japan
の
developerWorks Japan: IBM Lotus Sametime Unified Telephony技術概説
に紹介されています。
それぞれの電話連携機能の比較
ここで紹介した電話連携機能の実現できる機能と長所と短所についてまとめてます。
| 実現できる電話連携機能 | 長所 | 短所 |
| 電話プレゼンス | 電話発信 | ソフトフォン | 着信転送 |
|
|
| Eclipse プラグイン | ○ ※1 | ○ ※2 | △ | × |
- UI を含めた実装をするので、電話システムの機能にあった柔軟なカスタマイズが可能
- 電話システム独自の機能を盛り込むことも可能
|
- 連携する電話システムごとの実装が必要
- Lotus Sametime Connect クライアントでのみ利用できる
- プラグインは各クライアントに配布が必要
|
| TCSI | ○ ※1 | ○ ※3 | × | × |
- UI は製品に含まれているので、サーバー側の電話連携の実装に集中することができる
- 適切に実装することでオンラインミーティングでも利用できる
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- 連携する電話システムごとの実装が必要
- 機能セットが Sametime で規定されており、電話システムごとの特徴を生かしたカスタマイズができない
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| SUT | ○ | ○ | ○ | ○ |
- 他の仕組みに比べて機能が豊富
- 接続認証されたシステムを使用することで追加開発などは不要
- 複数の異なるベンダーの電話システムに対応し、それらの違いをユーザーから隠蔽できる。
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- SUT サーバー(TCS/TAS) を建てるなどシステムが大きくなる。
- SUT のための追加ライセンスが必要
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※1 Lotus Sametime Community Server Toolkit による実装が必要
※2 Lotus Sametime Connect Toolkit による実装が必要
※3 Lotus Sametime TCSPI Toolkit による実装が必要